パワー競争:ホンダは如何にしてメルセデスに迫ったのか、対するメルセデスの反撃とは

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 選手権を懸けた戦いは、ルイス・ハミルトンマックス・フェルスタッペンによるトラック上での争いにとどまらない。メルセデスレッドブル、そしてホンダ、それぞれの本社とファクトリーも巻き込んでいる。今週の Tech Tuesday では、マーク・ヒューズパワーユニットの覇権を争う二強に注目する...

 メルセデスレッドブルの開発競争は、目に見えるかたちで繰り広げられている。RB16B の極めて広範囲にわたる空力アップデート、W12 のイモラとシルバーストンでの特徴的なボディワークパーツがそうだ。しかしこの争いは、メルセデス HPP とホンダとの、最高のパワーユニットを懸けた戦いでもある。

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2021年のルール改正に対する最も見事なソリューション(シーズン前半戦)

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 コロナ禍により F1 の大規模なルール変更は2022年に延期になったものの、技術革新が止まったわけではない。今週の Tech Tuesday では、マーク・ユーズが、ジョルジョ・ピオラのイラストと共に、メルセデスレッドブルといったチームが、2021年のレギュレーションに合わせて2020年型マシンに施した最も見事な調整を解説する。

 空力レギュレーション刷新を前にして、現行の技術フォーマットが1年延長され、今シーズンは、マシンの一部の改変を禁止する厳しい規制のもとでの現行 F1 の低コストな最終年となるはずだった。目的は今のマシンの寿命を1年延ばし、感染拡大による財政難にあてることだった。

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凡庸な2020年型マシンを SF21 で速くしたフェラーリの巧みな再設計

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 先代の2020年マシン SF1000 を大きく超えて進歩させてきたフェラーリのアップグレードを、マーク・ヒューズが解説する。イラストはジョルジョ・ピオラの提供。

 フェラーリハンガリーで優勝争いに加わる絶好のチャンスを失った。1コーナーの大混乱で1台のメルセデス、2台のレッドブル、更に1台のマクラーレンが脱落し、間接的ではあるがその影響でルイス・ハミルトンも最後尾に後退した。

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2021年 F1第11戦 ハンガリーGP 決勝

 スタート直前の降雨でレインコンディションでのスタートとなり、2番グリッドから出遅れたボッタスが1コーナーで完全にブレーキングを誤り、前のノリスに追突。そのノリスはマックスに衝突、ボッタスは更にペレスと衝突し、ボウリングかビリヤードのようにライバルのレッドブルを2台とも撃沈。スタートの混乱をすり抜けたオコンがリードするが、レースは赤旗中断。

 リスタート時には日差しが戻り、先頭のハミルトン以外がすべてフォーメーションラップでピットイン。1台のみのスタンディングスタートという珍事態に。1周目にピットインしたハミルトンは最後尾からの追い上げを試みるが、終盤、アロンソを攻略するのににてこずり3位まで。序盤からのトップを守りきったアルピーヌのエステバン・オコンが F1 キャリア初優勝。2位にはベッテルが入り、バクー以来、今期2度目の表彰台。終始オコンを追い立てたが、アンダーカットを狙ったストップが3.3秒かかったことが全てだった。

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ハンガリーGPを控えた現時点での、メルセデスを悩ませるレッドブルの設計詳細

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 メルセデスルイス・ハミルトンがイギリスグランプリで優勝したが、それでも最速のマシンを持っているのはレッドブルだ。ハンガリーを控え、マーク・ヒューズが、ジョルジョ・ピオラのイラストと共に、この理由を解説する。

 イギリスグランプリでのマックス・フェルスタッペンルイス・ハミルトンとの接触を発端に繰り広げられた論争よって失われたのは、レッドブルがあらゆる特性のサーキットで最速のマシンを有しているという真の主張をする機会である。フェルスタッペンがクラッシュで離脱し、ハミルトンが優勝したものの、前日のフェルスタッペンが快勝したスプリントが正しい力関係を示している。

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シルバーストンでのハミルトンの優勝を後押しした、メルセデスの大きな最新アップグレード

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 メルセデスのアップグレードは、ルイス・ハミルトンにシルバーストンでの F1 8勝目をもたらし、マックス・フェルスタッペンとのタイトル争いにおいて大きな追い上げとなった。マーク・ヒューズが、このアップグレードを解説する。

 メルセデスは数レース前に2021年の風洞計画を終了しており、2022年型マシンに完全に移行している。この限られた計画での最後のパーツがようやく製造され、イギリスグランプリでマシンに搭載する準備が整った。

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2021年 F1第10戦 イギリスGP 決勝

 ブラックアウトからもつれるようにバトルを繰り広げたフェルスタッペンとハミルトンがコプスで接触、フェルスタッペンはタイヤバリアに突っ込みリタイヤ。ハミルトンはルクレールにトップを奪われ、更に10秒ペナルティを受けたが粘り強い走りでラスト2周で逆転、チャンピオンシップのポイント差を大きく挽回した。

  1. ルイス・ハミルトンメルセデス
  2. シャルル・ルクレールフェラーリ
  3. バルテリ・ボッタスメルセデス
  1. 角田裕毅(アルファタウリ)
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