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アルファロメオは、バーレーングランプリで有望なシーズンのスタートを切った。Mark Hughes が、Giorgio Piola のイラストと共に、彼らが冬の間にマシンに施した独特な変更について解説する。
彼らはチャンピオンシップポイントを手にすることができなかったが、C41 は安定して Q2 に進み、Q3 に残る潜在能力を示した。これは、ハースとウィリアムズに続いて予選の平均順位が悪かった昨年をはるかに上回っている。
上位に対して相対的に見ると、昨年から今年にかけ、彼らは最も大きく上昇しており、これは下表からも分かる通りだ。
Team | 2020 average % to pole | Barrain GP 2021 % to pole | Gain/loss(%) |
Alfa Romeo | 102.875 | 101.923 | 0.952 |
Red Bull | 100.729 | 100 | 0.729 |
AlphaTauri | 101.631 | 100.912 | 0.718 |
Ferrari | 101.429 | 100.865 | 0.664 |
McLaren | 101.352 | 101.045 | 0.307 |
Williams | 102.728 | 102.606 | 0.122 |
Alpine | 101.446 | 101.407 | 0.039 |
Mercedes | 100.002 | 100.436 | -0.434 |
Aston Martin | 101.247 | 101.802 | -0.555 |
Haas | 102.847 | 103.878 | -1.032 |
部分的には、フェラーリのパワーユニットが競争力を増したことが影響しているだろうが、フェラーリ自身と比べても、アルファはこの冬、大きく上昇してきた。新しいレギュレーションへの対応において、彼らの空力開発の生産性は明らかに優れている。
マシンには、フロントウィングに止まらず、空力的な特徴がいくつか存在する。
以前からアルファは、外側のフラップを急激に先細りさせ、内側で荷重をかけるフロントウィングを好んできた。外側が細いフラップは、ウィングのこの部分で発生するダウンフォースは減少するが、フロントタイヤの外側へのアウトウォッシュを増大させ、クルマに沿って発生する空力で利益を得ている。
しかしながら、アルファはそのフラップを細くしているエリアにおいても、ウィングの一番下の主翼をフラットにして地面に近づけることにより、埋め合わせをしようと努力してきた(下の写真では他のウィングとの違いが分かる)
このような形状は、ウィングのグランドエフェクトを高め、路面に接近して走行すると大きく増大するダウンフォースを生成する。この配置の短所は、発生するダウンフォースが、マシンのピッチングに合わせてスイッチのように変動する懸念があることだ。
これを補うため、アルファはエンドプレートの下部にスロットを設けた。路面に近づいてもウィングの主翼裏面を機能させ、失速を遅らせる狙いがある。
内側での荷重、フラットな主翼、エンドプレートのスロットという、これら一連の特徴は、彼ら独自の開発路線を行くというチームの自信の表れであり、この他とは違う組み合わせをチームがどう煮詰めていくのか注目していきたい。