覇権を懸けたレッドブルの最新アップグレードを探る

出典:

www.formula1.com

レッドブルはポルティモアに大きな空力アップデートを投入し、2022年のレギュレーションで刷新される車体開発にリソースを割く必要があるなかで、ワールドチャンピオンシップをかけて戦うため、全力で開発を推し進めていることを明確にした。マーク・ヒューズが、ジョルジョ・ピオラのイラストと共に、今回のアップデートを解説する。

ポルトガルは、低グリップの路面と突風への対応が鍵を握る接戦のように映ったものの、レッドブルが持ち込んだ大きな変更が、大きな空力パフォーマンスの追加をもたらしていたのは間違いない。これは、今週のバルセロナではより大きな効果を発揮するだろう。

フロントブレーキダクトの変更、バージボードの全体的な再構成、フロア側面エッジの形状とその周辺のベーンの変更といったように、前方から後方に渡って変更が施されているが、全ては新しいディフューザーを念頭に置いたものだ。

ここでの鍵はディフューザーである。ディフューザー後部の変更は、すべて側方のチャネルを拡張するためのもので、これはディフューザーの中央部を“つまみ出す”ことで作り出されている。

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レッドブルポルトガルの前、イモラのレースで使用したディフューザーの中央部は、幅が広い…

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それに対し、レッドブルポルトガル仕様のディフューザーは中央部が細くなり、周囲のエレメントも上方へ移動している。

外側のチャネルは、より多くの気流を通せるように変更されている。簡単に言うと、車体を通過する気流の総量は限られており、その中で車体下部について、空力担当者は、どれくらいの気流をアンダーフロアを通るよう導き、どれくらいを車体側面に向かわせるかに優先順位をつけなければならない。車体側面の気流とは、バージボードを抜け、サイドポッドを下り、コークボトルを通過するもので、これらはディフューザーウォール周辺に至る一連の経路を形成している。

この気流はバージボード周辺で分岐し、ディフューザーの後方で合流する。車体裏側の流速を最大化することが狙いであり、側面の気流は結局のところ、その一環である。アンダーフロアへ導く流量と、側面を抜け、後方で合流したときにその速度を上げる気流と間には、最も有利な妥協点が存在する。車体に流れ込む空気には限度があるからだ。

アンダーフロアへ導かれる気流を増す(ディフューザーのチャネルを大きくするといったような)ことで、この妥協点は再設定される。側面への流れが逸れて減少すると、その流れに合わせて、バージボードとフロアの外側の形状をもう一度最適化することになる。ここで、アップグレードの一部としてバージボードを大きく変更した狙いが理解できる。

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ポルティモアに持ち込まれたレッドブルの新型バージボード…

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…と、比較のための古いバージボード