2021年 F1第7戦 フランスGP 予選

 レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが唯一の1分29秒台を叩き出し、2番手のルイス・ハミルトンに0.258秒もの大差をつけて開幕戦に続いて今シーズン2回目のポール・ポジションを獲得。2列目はバルテリ・ボッタスセルジオ・ペレスが入り、トップ2が上位を占めた。角田裕毅は Q1 でスピンを喫してクラッシュ、最後尾となった。

 Q1 でルーキーの角田とシューマッハ赤旗の原因を作っちゃったけど、それ以後は久しぶりにアクシデントが関与しない予選で、とても見応えがあった。フェルスタッペンのコメントにもある通り、このトラックでメルセデスの前に出られたのは大きいけど、バーレーンでは今週末以上の差をつけておきながら、レースペースでは負けていた。しかも 1STOP は確定みたいだから、勝負はスタートと第1スティントか。レッドブルダウンフォースを削っていたみたいだから、タイヤの持ちはちょっと心配なんだよなあ。

 1列目もそうなんだけど、2列目のポイントは、チェコがバルテリの前に出ることではなく、少なくとも1周目はポジションキープで戻ってくることだ。3番手に上がってほしいところだけど、偶数列だから高望みはできない。

 中団争い、Q2 でノリスが脱落のリスクがあったにもかかわらずアボートしてしまった理由が気になってたんだけど、燃料系のトラブルだったんだね。フェラーリも好調を維持していて、コンストラクターズの3番手争いは激しくなるばかり。公式サイトのコメントをまとめておこう。

フェラーリ

 フェラーリにとっては複雑な予選だった。前に来たサインツは、今日も自信を深めつつあり、僅差で2列目を逃した。ルクレールは、いつもは1周のパフォーマンスには優れているが、最後のプラクティスと予選を通して苦戦していた。クルマのバランスに満足できず、Q1 では脱落しそうになり、7番手がやっとだった。

シャルル・ルクレール, 7番手, 1:30.987

「僕の方はトリッキーな予選だったよ。マシンのフロントのバランスが悪くて、いいドライビングができなかった。ドライビングスタイルを適応させる方法を見つけて、レースでは良くなるようにしなきゃ。明日はマシになるとは思ってるけどね。みんなやカルロスは素晴らしい仕事をしていた。昨日のレースペースは悪くなかった。レースで良い順位をかけて戦うポテンシャルがあるのは間違いないから、僕たちがすべてをまとめられるかどうかにかかっている」

カルロス・サインツ, 5番手, 1:30.840

「チームにとって悪い日ではなかった。ここ2回の土曜は色々あったからね。今日みたいな順調な予選はいいよね。クルマからすべてを引き出すことができたし、このタイプのトラックで進歩したことを示せたと思う。僕の方は、異なるコンディションやコーナーでの理解と適応を続けていて、今日はどのコンパウンドでもクルマを快適に感じていたよ。明日のレースへ向けていい位置にいるし、すべてのチャンスを最大限に生かすつもりだ。好結果を得てフランスを立つには、1周目を無難に走ることと、良い戦略が必要だ」

ローレン・メキーズ, レーシングディレクター

「全体的に満足のいく予選だった。モナコやバクーといった通常とは異なるトラックとは序列が異なること、ポール・リカールサーキットは SF21 と相性が良くないことは分かっていた。しかしここでも、我々がチャンピオンシップを争う2強の後ろではベストであることを示すことができた。しかも過去3回の予選では、両方のクルマが直近のライバルたちより前に来ている。カルロスは素晴らしい週末を送っているね。進歩しているし、彼の予選でのパフォーマンスは本当に素晴らしい。シャルルはクルマに良い感触が持てなかった。特にフロントエンドでね。それにもかかわらず最後の走りでは、3列目に手が届きそうなところまで迫ってきた。明日のレースは長く、厳しいものになるだろう。タイヤが重要な役割を果たす。この面で言うと、上位10台は同じコンパウンドでスタートするから、同じ条件で戦うことになる。我々のレースペース今のところ、求めるところには達していないが、今晩と明日はしっかり準備をするし、この後続くレースウィークに向けても、ドライバーに更に競争力のあるパッケージを与えるため、継続して取り組んでいく」

マクラーレン

 ノリスは Q2 でワイドに走りラップタイムを取り消されるなど、トリッキーなセッションとなった。彼は同じミディアムタイヤのセットで2回目のラップを刻んだが、最後の走行時に燃料系の問題でピットに戻され、トップ10を逃すところだった。

ダニエル・リカルド, 10番手, 1:31.382

「ミディアムタイヤで Q3 に進出できたのは良かった。狙ってたことだからね。最後のラップはいい感触で、10番手より上には行けたと思う。もう少し上のグリッドにいけなくてガッカリしているけど、これが現実だ。僕たちはまだシングルラップでのこのコンマ何秒かを求めているけど、明日は何かを起こせるようトライするよ。全体的にはパフォーマンスに満足している。みんな速いし拮抗してるから、ペースを見つけられるよう頑張るよ」

ランド・ノリス, 8番手, 1:31.252

「タフな予選で、望んでたポジションじゃない。もう少し上を狙っていたけど、ペースが足りなかった。前の2, 3台とはコンマ何秒かの差がある。0.1~2秒は速く走れたと思うけど、あと1つ上に行けたとは思わない。今日は彼らと戦える速さは無かったけど、明日はいくつか修正して、強くなれたらいいね。ポイントを獲るチャンスは十分あると思うから、それを狙っていくよ」

アンドレアス・ザイドル, チームプリンシパル

「今日はいくつか問題が発生して、難しい予選だった。両方のクルマがミディアムタイヤで Q3 に進めたのは良かったし、結局のところ、今週末のここまでのペースを考えると、予選で P8 と P10 という順位は妥当だと言わざるを得ない。ポジティブに捕らえると、今回も2台を Q3 に送り込めたし、明日はポイントをかけて戦うチャンスがあるポジションからスタートできるのは喜ばしいね」