予想通り、スタート直後のターン1がすべて。鮮やかにトップを奪ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が、危なげなく逃げ切って今季9勝目。母国グランプリのセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)は、終盤2位のルイス・ハミルトン(メルセデス)に迫るが、抜きにくいこのトラックでは攻略まで届かず。
結果、ドライバーズチャンピオンシップはフェルスタッペンが差を19点に広げ、コンストラクターズ部門はレッドブルが1点差に迫った。
DNF. 角田裕毅
- Fastest Lap:バルテリ・ボッタス(メルセデス)※ポイント圏外
- Driver of the Day:セルジオ・ペレス(セルジオ・ペレス)
ブラックアウト後の蹴り出しは、特に誰が良いという感じでもなかったけど、ハミルトンが早々にボッタスと並んでしまったために、メルセデスはトゥ無しで後続に蓋をするかたちになった。そこへボッタスのトゥを上手く使ったフェルスタッペンが大外からレイトブレーキングで勝負あり。ハミルトンに何もさせなかった。ボッタスは更に後続のダニエル・リカルド(マクラーレン)に接触され、最後尾に落ちてしまう。その後も一緒に脱落したリカルドの前に出られず、ポイント圏外でフェルスタッペンのファステストを奪うことしかできなかった。
トップに立ったフェルスタッペンは、2番手のハミルトンに対して明確な速さを持っており、アンダーカットの懸念もなく、悠々と逃げ切った。対するハミルトンは、3番手のペレスにアンダーカットされることを恐れ、5番手のルクレールに対してピットストップウィンドウを確保する前にタイヤ交換。ルクレールもすぐにピットイン、4番手のガスリーもそれに反応してピットインしたため前を塞がれることはなかったが、ペレスに10周のタイヤオフセットを与え、終盤は防戦一方となった。完全に、レッドブルがメルセデスを凌駕していたと言える。
アルファタウリのガスリーは素晴らしいペースで中断トップのグリッドからそのまま4位でフィニッシュ。ターン1の混乱を上手くかわし、終始、フェラーリよりもいいペースを持っていた。完全に、3番目に速いクルマだった。それだけに、ターン1のインシデントでリタイアしてしまった角田は残念。今回はソフトスタートの不利があっただろうけど、調子が良かっただけに、見てみたかった。予選での誤解も解けそうなので、そっちも良かったね。これでアルファタウリは、コンストラクターズ部門でアルピーヌと106点で並んだ。こちらも楽しみだが、角田がどれだけポイントを取れるかにかかっている。
一方のフェラーリは、序盤にサインツを前に出していたらどうなったか4位を取れたかもしれないけど、対マクラーレンを考えると、これで良かったのかもしれない。マクラーレンはフェラーリに比べて、トラックごとのパフォーマンスの揺れ幅が大きい。フェラーリは、序盤のフランスがいい薬になったのか、パワーユニットのアップデートもあるし、有利かもしれない。マクラーレンがノリスの10位による1点のみだったため、フェラーリがコンストラクターズ3位に上がり、13.5点差をつけた。