予選の黄旗無視で5グリッド降格を課されたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は厳しい戦いになると思われたが、7番グリッドから抜群のスタートを決め、序盤の数周でルイス・ハミルトン(メルセデス)の後方2位まで上がる。前の2台は他とは別格の走りでそのままチェッカー。3位には序盤から上位をキープしていたフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)がセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)の追撃を退け、2014年以来105戦ぶりの表彰台を獲得。
- ルイス・ハミルトン(メルセデス)
- マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
- フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)
- 角田裕毅(アルファタウリ)
- Fastest Lap:マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
- Driver of the Day:フェルナンド・アロンソ(投票しなかったけどアロンソ)
今回もハミルトンは圧倒的だった。確かにインテルラゴスの方が速く見えたけど、トップ独走なんだから地味に見えて当然。やろうと思ったらもっとちぎれたと思う。フェルスタッペンはファステストが取れたから最小のダメージで乗り切ったけど、残り2戦、勝てるイメージが思い浮かばない。リアウィングに問題も出ていたし、引き続き有利なのはハミルトンだろう。
1ストッパーが主流と思われた後半、バルテリ・ボッタス(メルセデス)を皮切りに、左フロントのパンクが続出。最後はピットまで帰れなかったニコラス・ラティフィのウィリアムズを撤去するために VSC が入って、ソフトで逃げ込みを図っていたアルピーヌに追い風。3位を狙って追い上げていたチェコは残念だったけど、アロンソは表彰台に相応しい走りだった。あの状況を危惧してチェコを2ストッパーにしたレッドブルの分析力は流石だと思う。この判断は責められないだろう。
今回もまた、ピレリタイヤの性能(特性?)による波乱と、マイケル・マシの判断の遅さでアンチクライマックスな結果となった。やはり両者とも、F1 に求められるクオリティに届いていないことが再確認されたが、もう、こういうもんだと受け入れるしかないよね。
アルピーヌはエステバン・オコンも5位に入って合計25点獲得。コンストラクターズ5位を争うアルファタウリは、ガスリーのフロントロゥからのスタートを生かせず痛恨の無得点で、かなりの劣勢に追い込まれた。勝算があってソフトスタートにしたんだろうけど、ピエール・ガスリーも角田も、他と比べてデグラレーションが大きかった。戦略を分けるべきだったし、当初から感じていた柔軟性の乏しさを露呈した。ただ角田は、彼なりにいい走りで順位を上げていったし、頑張っていたと思う。残り2戦にも期待が持てる。
フェラーリとマクラーレンのコンストラクターズ3位争いは、カルロス・サインツ7位、シャルル・ルクレール8位、ランド・ノリス9位で、フェラーリが更に差を39.5ポイントに広げる結果となった。5位争いと同様、この差は決定的と思える。