各チームの声(メルセデス勢抜粋) - バーレーンGP決勝

 メルセデスの PU カスタマーが下位に沈んだということで、それらのチームとワークスの声をピックアップしてみたが、みんな車体に問題があると考えていて、PU に依存する問題は見受けられない。

 単なる偶然ということですね。ジェッダで様相が変わる可能性は十分ある。

 

出典:

www.formula1.com

メルセデス

 メルセデスにとってはダメージリミテーションが目標だったが、それよりも遙かに大きなものを手にした。ラッセルは序盤、何度かよい動きを見せ9位から6位に上がると、チームメイトから数秒後ろを追従した。ハミルトンはレッドブルのペレスの前に出たものの、序盤のうちに順位を取り返されたが、このメキシコ人に離されることなく、しつこく食いついた。終盤にレッドブルの2台がリタイアすると、7回のワールドチャンピオンには思いもよらない表彰台が転がり込んだが、このまとまったポイントは、レッドブルフェラーリからの遅れを取り戻そうとしている現状を考えると、軽視することはできない。

ルイス・ハミルトン, 3位

フェラーリにおめでとうと言いたい。強い彼らを見ることができて嬉しいよ。偉大な歴史を持つチームだからね。僕たちにとっては厳しいレースだった。プラクティスからずっと苦戦していて、この結果は得られる最大のものだ。もちろん、(レッドブルの)二人には不運なことだったけど、僕らはベストを尽くしたんだから、このポイントは有難くもらっておくよ。ファクトリーではみんなが懸命に働いている。すぐに状況が変わるわけではないけど、僕らはずっと一丸となった最高のチームだったんだ。集中して取り組みを続けるだけだってことは、みんな分かってる。先は長い。最大限のポイントを獲得できた週末になった。必ず優勝争いに戻ってくるよ」

ジョージ・ラッセル, 4位

「ポジティブなレースだった。いいスタートを切って、ルイスと僕は自分たちだけのレースをした。戦略は違ってたけどね。3位と4位で戻ってこれて、チームにとって貴重な週末になったと思う。長いチャンピオンシップでは、今日の結果を喜んでいいはずだ。予選では0.5秒遅れで、決勝でも少なくともそれぐらいだったことを考えると、ダメージリミテーションとしては上出来の週末だった。クルマにはポテンシャルがあるから、データを精査してパフォーマンスを引き出す方法を理解する必要がある。ライバル達が遥か先をいってるのは認めている。クルマの限界があるところは分かってるし、勝つチャンスを得られるまで、ゆっくりすることはないよ」

トト・ウォルフ, メルセデス・ベンツモータースポーツ代表

「今日の我々は、階級が上の相手と戦っていた。レッドブルの DNF があったものの、3位と4位は素晴らしい結果だ。私が思うに、劣化する前のソフトタイヤでの純粋なペースであれば、ルクレールには及ばないまでも、他と同じようなところにいる。その後のデグラデーションが余りに大きく、何か違うことをしようとハードタイヤを履いてみたものの、1周あたり1秒遅かったんだ。勉強になったよ。ウィングが大き過ぎたのだと考えている。ドラッグがかなり大きかったが、単にパーツが無かっただけだ。これに対処し、トップ2のレベルに向けて進歩できればと思っている。PU に関してあらゆる手を尽くし、パフォーマンスを見つけ出す必要があるが、今日に関しては、ストレートで問題となっているのはウィングだった。今は5番手6番手で、挽回することを目指しているが、一朝一夕というわけにはいかない。これからもプッシュしていくよ」

アンドリュー・ショブリン, トラックサイド・エンジニアリング・ディレクター

「週末を迎えるにあたり、我々には十分な速さがないことは分かっていたから、今週の目標は、チャンピオンシップでのダメージを最小限に抑えることだった。ペース面で、我々はほぼ単独だった。レッドブルフェラーリにプレッシャーをかけることはできなかったが、後方からのプレッシャーに晒されることもなかった。だから戦略面で少し余裕ができて、ルイスは3回ストップにして早めに動いたんだ。目下、最優先で取り組むべきはパフォーマンス不足だ。我々はポールや優勝を懸けて戦えるマシンを持っていない。チャンピオンシップに勝つことを目指すなら、いつまでも受け入れられるものではない。(クルマは)バランス面でもかなり扱いにくいが、本題はグリップ不足だ。ボトミングを回避するため、車高を上げざるをえないのが原因となっている。しかしながら、週末にポジティブな要素が無いわけでもなかった。ギャップは大きいが、比較的早くパフォーマンスを上げられる要素もあるはずだ。チームはここまでよく働いてくれているし、クルマには信頼性がある。ペースを改善させるためのアイデアは沢山あるし、今後数日、数週間は、それらをトラックに投入できるよう頑張るよ」

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コーナーでスライドするルイス・ハミルトン駆るメルセデスW13
アストンマーティン

 ストロールは序盤にノリスとやり合ったが、スチュアードはこれをハードだがフェアなレーシングと判断した。彼はトラック上でチームメイトをパスし、12番手まで順位を戻したが、未完走が3台だけで、ポイントには届かなかった。ヒュルケンベルグは、スーパーサブという立場でよく戦ったが、冷却の問題で予定通りのピットができず、時間をロスした。

ニコ・ヒュルケンベルグ, 17位

「グランプリを戦うため再び F1 マシンに戻ってくることになるとはね。しかも僕の周りで色んなことが起こる忙しいレースだったよ。タイヤを管理しつつ、燃料重量の変化に合わせてドライブするのは楽ではなかった。クルマのバランスが大きく変化していたし、レースのスタートまでにこれに備えるのは簡単ではない。だから今日が最も困難な日になるとは思っていたけど、現実になったね。レースは上手く組み立てられたと思う。総合的に考えてみると、ミスはターン1でのブレーキングだけだったけど、その後のレースは更に難しくなってしまった。チームからの再要請には準備しておくけど、セバスチャンが早くレースに戻ってこれるよう願っているよ」

ランス・ストロール, 12位

「今日はポイントを懸けて戦えず情けなかったけど、完走できたのは良かったし、新しいレギュレーションへの理解も深まった。まだ始まったばかりだし、来週のサウジアラビアでのレースへ向け、パフォーマンスを上げるために学ぶことが沢山ある。第一印象としては、エキサイティングなレースが繰り広げられるシーズンになると思うよ。前のクルマにより接近して付いていくことができたし、今日は(アレックス・)アルボンや(ミック・)シューマッハといいバトルができた。新しいタイヤも冷ますのには苦労するけど、この数日に分析する有益なデータが取れたね」

マイク・クラック, チーム・プリンシパル

「今日のレースでは、我々のドライバーはふたりとも、かなりのリフトアンドコーストをする必要があったが、彼らは上手くこなしてくれて、2台とも完走することができた。12位と17位という結果はもちろん期待したものではないが、我々がスタートしたポジションからでは、上位に食い込むのは難しい。とは言え、ランスは素晴らしいドライビングで19番グリッドから12位まで上がってくれたし、2020年11月(ニュルブルクリンクでのアイフェルグランプリ)以来 F1 で走っていなかったニコもいい仕事をした。我々のクルマには明らかにペースが足りないが、数日後のサウジアラビアではもっと良くなるよう、努力していくよ」

ウィリアムズ

 トップ10を懸けて戦うことが出来ず、ウィリアムズにとってタフな夜となった。それでもアルボンの方は比較的エキサイティングで、ストロールとのバトルを繰り広げてレースを盛り上げたが、バーレーンでは、このグローブに拠点を置くチームに及ばなかった。サウジアラビアに向け、競争力の向上が望まれる。

ニコラス・ラティフィ, 16位

「今日はトリッキーな1日だった。明らかに、望んでいたような開幕にはならなかったね。全体的にグリップ、バランス、タイヤのデグラデーションに悩まされ、ペースが上がらなかった。どうすれば今あるパッケージから更に性能を引き出せるかを考え、なるべく早く対応してクルマを速くする努力をしなければならない。ジェッダは異なる種類のトラックで、ここよりは相性がいいはずだけど、同じようなパッケージで臨むことになる。ここで学んだことを生かして、更に最適化できるとは思うけど、それでも厳しいだろうね。23戦あるシーズンだから、巻き返すための時間は十分にある」

アレクサンダー・アルボン, 13位

「ウィリアムズでの最初の F1 レースは、かなり上手くいったよ。いいスタートを切って、いくつか順位を上げることができたから、プッシュしたんだ。必然的に、何台か僕たちより速いクルマに抜き返され、少し順位を落としたけどね。でも先週末は苦しんでいたことを考えれば、前進しているよ。困難な週末になることは分かっていたんだから、信頼性の問題もなく、13位になれたことは喜んでいいいと思う」

デイブ・ロブソン, 車両パフォーマンス責任者

バーレーンはタフな夜が続いたよ。しかし、2台とも完走できたし、悪くないペースを示したときもあった。アレックスはいいスタートを切り、レース序盤にいくらか順位を上げた。不運なことに、今日の我々にはそこに留まるペースはなかったけどね。しかしながら我々は、マクラーレンアストンマーティンの両方と戦うことができた。これは先週のテストから如何に進歩したのかを示している。ニコラスはいつも通り頑張ってくれたが、タイヤのデグラデーションが手に負えなくなって安定したペースを刻めなかった。アレックスは終始、落ち着いて正確なレースをしていた。ウィリアムズでのキャリアとして、素晴らしいスタートだったよ。新しく加入したチームで予選と決勝を走るのは、簡単なことではない。多くの手順を学んだり、組織に馴染む必要があるからね。にもかかわらず、シミュレータや冬のテストプログラムを堅実にこなして、週末に素晴らしい役割を果たしてくれた。これから数週間、ドライバーにもクルマにも向上の余地があるが、チーム全体にとって順調な開幕だった。ジェッダ市街地サーキットでのまったく特性の異なるチャレンジを楽しみにしているよ」

マクラーレン

 話にならなかった。チームは賭けに出て、唯一ミディアムコンパウンドタイヤでスタートしたが、有利な戦略ではなかった。更にノリスは1ストップ作戦を試みたが、これも破綻し、最後には変更を強いられた。リカルドの夜はいきなり1周目に損なわれた。衝突を回避するためトラックから外れ、最後尾まで落ちてしまった。2台とも完走したが、パパイヤオレンジカラーのチームにとってポジティブな要素は殆どなかった。

ダニエル・リカルド, 14位

「簡単なことに思われるかもしれないけど、僕らの第一目標は、レースディスタンスを走り切り、クルマへの理解を深めることだった。体調には気をつけようと思っていて、そこは良好でよかったよ。先週のことを考えると特にね。タイヤは3種類全部のコンパウンドを試したから、まとまったフィードバックが得られた。レースでの欠点は明確になってるから、理解に努め、取り組んでいくよ。いくつかのコーナーでは悪くないと思ってる。だから僕たちはチームに全てをフィードバックするだけだ。言うまでもなく、やっかいな1日になることは分かってたけど、2台とも完走できたし、見るべきところは沢山ある。今はサウジアラビアの全く異なるトラックを見据えている。どうなるか見てみよう」

ランド・ノリス, 15位

「僕らが望んでいたものとは全く違う、とてもタフなレースだった。望んでいるところに辿り着くには長い道のりがあるから、僕らのやるべき事は、可能な限りのエリアに目を向けて、全てのレースを最大限に活かすことだ。今日も全力を尽くしたけど、十分ではない。今日のレースで得られた全てのデータを精査して、どうすればサウジで改善できるかを見つけていくし、同じようにシーズンを通して改善していく必要がある。来週も全力を尽くすよ、僕たちが今いる場所でね」

アンドレアス・ザイドル, チーム・プリンシパル

「予想通りだった。我々はここバーレーンで金曜、土曜と苦戦しており、今日のグランプリでも直面している問題に悩まされた。レース中は様々なパラメータに気を配る必要があり、競争力を発揮できなかった」

「ランドとダニエルには感謝している。週末を通してチームと力を合わせて戦ってくれたし、ここバーレーンや、ウォーキングで支えてくれたチームは、膨大な量の仕事をこなしてくれた。この結果は残念だし、チームの全員にとって辛い経験だ。もちろん、応援してくれるファンにとってもね。今は競争力が劣る原因を分析し、可能な限り早くクルマの性能を上げるために懸命に取り組んでいる」

「一方で、初めてレースディスタンスを走り切った今日の経験が、来週の準備とポジションアップに繋がることを期待している」