2022年 F1第3戦 オーストラリアGP 決勝

 ポール・ポジションからスタートしたフェラーリシャルル・ルクレールが他を圧倒する走りでポール・トゥ・ウィン。ファステストラップ、全周ラップリーダーの完全勝利を飾り、今シーズンのタイトル最有力候補の座を確実にした。

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開幕3戦2勝のルクレール
  1. シャルル・ルクレールフェラーリ
  2. セルジオ・ペレスレッドブル
  3. ジョージ・ラッセルメルセデス
  1. 角田裕毅(アルファタウリ)

 チャンピオンを争うべきレッドブルのエース、マックス・フェルスタッペンは、終盤にマシントラブルでリタイア。開幕戦に続き、2位を2回、36ポイントをフイにした。チャンピオンを争う上では致命的だ。また、シャルルと同じマシンに乗るカルロス・サインツも、最悪のスタートで大きくポジションを落として冷静さを失い、独り相撲で早々にリタイア。アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)が10位入賞しているだけに、ハードタイヤで粘り強く走ってれば2位もあっただけに、こちらも致命的なノーポイント。シャルルは他を圧倒しているし、チーム内での序列も確定した感じがあり、この勢いはイモラでも変わらないだろう。

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オーストラリアGP ラップタイムチャート

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オーストラリアGP ギャップグラフ

 レッドブルが序盤に信頼性で苦しむことはある程度予想していたけど、想像よりもひどい。まさにプレシーズンテストのような状態で、ひとつ問題を潰すと、また新たに出てくるような状況ではないか。今回は純粋なペースでカルロスに負けていた可能性もあり、2位を取りこぼしたのは残念だ。

 ペレスがラジオで言ってた通り、終盤はもう新たな展開がなかったので、Driver of the Day にルクレールを投票してしまったが、終盤のアレックスのペースを見て後悔した。今週の敢闘賞は、間違いなくアレックス。Driver fo the Day は、もう少し締め切りを甘くして欲しいんだよな。勝った方に一票とか、ポイント取ったら一票とか、そういうことができないんだよ。ギャップグラフからも分かる通り、50周を過ぎてからエステバン・オコン(アルピーヌ)を引き離している。素晴らしいペースだった。この時点で、ポイントを取れたら一票などと考えた私が愚かでした。今週末好調だったアルピーヌを引き離す時点で、ポイントに値するのにね。すみません。しかし、彼の FW44 に何が起こったのだろうか? 何にせよ、おめでとう!

 ラッセルは今季初表彰台。実質的に、キャリア初表彰台。セーフティ・カーのタイミングで同僚のルイス・ハミルトンと順位が入れ替わったが、去年までルイスに宿っていた神通力はもう無くなってしまったようだ。ジェッダでもピットインし損ねてたし。

 あと良かったと思うのは、ハースのミック・シューマッハ。順位には現れてないけど、予選でケビン・マグヌッセンに勝ったし、ハードタイヤに交換した後のペースが素晴らしかった。マクラーレンが調子を上げてきたのでポイント獲得は難しくなってるけど、この分なら、近いうちに初ポイントは獲得できそう。

 ダメだった連中として、まずはアルピーヌのフェルナンド・アロンソ。スタートにハードタイヤを選び、序盤はミディアム勢と遜色ないペースを見せていたが、後半、特にタイヤを痛めてからは、明らかに集中力を切らしていた。最後のタイヤ交換は、遊びでファステストを狙いに行ったものだろう。それでもシャルルに及んでいない。直線は速いが、硬いタイヤでないとペースが安定しないという特性は、少しレッドブルに似ている。

 サインツもひどかった。ハードタイヤの蹴り出しとか関係ないほど悪いスタートを切り、冷静さを失った。今週のフェラーリの速さがあれば、そこからでも十分に巻き返せたと思う。自力で1-2もあったのではないか。性格が真面目なだけに、かなり思い悩むだろうなあ。強くなってシャルルを脅かして欲しい。

 角田もぱっとしなかった。ペースでピエール・ガスリーに及ばなかったし、タイヤを上手く管理できず、ずるずるとポジションを落としていった。サウジで何も走れなかっただけに気の毒ではあるが、2年目なんだから、もう後がないぞ!