2022年 F1第5戦 マイアミGP 決勝

 プラクティスで赤旗が多くでた割には、落ち着いたレースとなった。それでも終盤には SC が入ったが、下位での小競り合いを誘発したのみで、上位に影響は出ず。

 スタートでカルロス・サインツフェラーリ)を攻略したマックス・フェルスタッペンレッドブル)が、ミディアムでの第1スティント序盤、ポールからスタートしたシャルル・ルクレールフェラーリ)も攻略。終盤の SC でルクレールとの差がリセットされたが、優れたタイヤマネジメントと直線スピードで DRS を使われても決定的なチャンスは与えず、そのまま逃げ切って優勝。

 アルファタウリの角田裕毅は序盤からペースが上がらず後退、僚友ピエール・ガスリーフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)との接触が原因(だよね?)でリタイアし、チームとして初のノーポイント。予選が良かっただけに、残念な結果となった。

  1. マックス・フェルスタッペンレッドブル
  2. シャルル・ルクレールフェラーリ
  3. カルロス・サインツフェラーリ
  1. 角田裕毅(アルファタウリ)

2022 マイアミGP ギャップグラフ

2022 マイアミGP ラップタイムチャート
フェラーリの反撃に期待

 フェルスタッペンは5戦3勝、リタイア2回という極端な成績。チャンピオンシップはまだ19点差で、序盤のメカニカルトラブルが悔やまれる。今週末にしても、金曜日のトラブルがレース中に出てたと思うと、楽観はできない。やる事は多い気がする。

 ただし、この暑いコンディションでフェラーリよりもタイヤを上手く使えたのは、RB18 の素性の良さを示しており、今後に向けて好材料。次のバルセロナではフェラーリが大きなアップデートを入れてくるだろうから、非常に興味深い。表彰式で映ったビノット、かなり悔しそうだったし、オーストラリアのような圧勝もあり得る。

とは言え、満足なデータが取れないまま、レースディスタンスでまたもフェラーリを上回ったのは、チームとマックスの自力の証明だろう。SC 明け数周のトップ争いは、ブレーキング競争には至らなかったものの、見応えがあった。マックスはデプロイも相当工夫していたはず。一息ついたあとは、再びギャップをコントロールしてみせた。

 マックスの走りは流石の一言だが、カルロスとチェコ、どちらもチームメイトに遅れを取っているのが残念。特にチェコは、上位4人で唯一、SC 中にソフトに交換できたんだから、カルロスを攻略して欲しかった。PU の調子が悪くて再起動してたみたいだから、その影響だろうか? それなら仕方ないけど、あんなバンザイブレーキングでは...

スチュワードは気配を消しすぎ?

SC は1回だけだったけど、色んな所で接触が起きていた。いくつか審議が行われていると思うんだけど、何故だろう、その状況が去年よりも伝わって来ない気がする。もちろん、接触の映像が流されるかどうかにもよるけど。

 今回だと、ガスリーとノリスとの接触は、ノリスが楽観的だが、ガスリーの AT03 が中途半端なスロー走行だった事を加味すると、酌量の余地はありそう。その原因となった、ガスリーとアロンソのインシデントは、アロンソが悪い、ペナルティに相当する。あと覚えてる限りでは、ミックとセブは、ミックが悪い。師弟関係に亀裂が入らなきゃ良いけど。ケビンとランスの場合は、多分1回だけじゃないから、かなり感情的になっていたんだろう。ただランスは馬鹿。あんな無思慮に切れ込んできて、ケビンはどうすればいいのか。良い悪いではなく、馬鹿。

 結局、これらの裁定がどうなったのか、映像からは全然伝わって来なかったんだよなあ。リカルドは何をやらかしたの?

残念なアルファタウリ

 決勝でのアルファタウリは、予選と違ってまったく精彩がなかった。角田はスタート直後からペースが上がらず、早々にタイヤ交換。イモラで発揮したペースは影を潜めた。ラジオでも不満をぶつけていた。ガスリーは少し踏ん張ってたけど、アロンソとの接触がなくても、遅かれ早かれポイントは失っていたと思う。まわりと比べてデグが大きいと決勝では勝負にならないから、タイヤへの理解を深める必要がある。ま、これは全チームに言えることだけど。

その他、雑感

 バルテリは、勿体ないことをしたもんだ。10点が6点だから、4割減である。失った4ポイントも大きいが、メルセデス2台の前、ミッドフィールド先頭の座を失った。フレディがどう思ってるかは分からないが、フランツなら激怒してただろう。

 オコン9位、アレックス10位(と思ったら、アロンソの降格でそれぞれ8位、9位に繰り上がり)は立派だと思うが、彼らがどうやってそこまで上がってきたのか、まったく分からなかった。ラップタイムチャート作ってから確認しよう。

 アップデートを入れた割に相対的な戦闘力が変わらなかったメルセデス、終盤にラッセルがハミルトンの前に出て、ルイスにとってはまたも不満の残る週末となった。不可抗力なのにチームの戦略を責めるのはやめた方がいい。

それでもまだ19点差

41周 VSC、次 SC、46周目に終了。