2024年 F1第3戦 オーストラリアGP決勝

 開幕2連勝のマックス・フェルスタッペンレッドブル)がホールショットを決め、今週もこの展開かと思った矢先、フェルスタッペンがブレーキトラブルで43戦ぶりのリタイア。ただそこで熾烈な優勝争いが繰り広げられることはなく、レースはトップを譲り受けたカルロス・サインツフェラーリ)の圧勝で終わる。角田裕毅(RB)は会心の8番グリッドから中団トップを維持し、メルセデスの全滅もあって殊勲の7位入賞で、今季初ポイントを持ち帰った。

  1. カルロス・サインツフェラーリ
  2. シャルル・ルクレールフェラーリ
  3. ランド・ノリス(マクラーレン
  1. 角田裕毅(RB)
動かせるグラフ

 

操作方法(スマホでも動きますが使いにくいよ)
  • 軸上のマウスホイールで拡大/縮小(ポインタの場所が中心、スマホのピンチもOK)
  • プロットエリアと軸上でドラッグするとパン
  • Top 3, 6, 10 のプリセットは、ctrl を押しながらクリックで反転
サインツ完勝

 サインツは勝利に相応しいペースを持っていた。これは、グラフを見ても明らか。フェルスタッペンがリタイヤしてなければどうだったのか、本当に興味深い。ただ昨年から、後流の悪影響が大きくなっており、追従した状態で今回のようなペースが出せたかどうか、ちょっと疑問。鈴鹿はまったく異なる特性を持つトラックだし、この答えはしばらあくお預け。

フェラーリの積極策

トップ3のギャップ

 トップ3のギャップグラフを見ると、2位のシャルル・ルクレールは第1スティントで2番手を走行していたランド・ノリス(マクラーレン)をアンダーカット、そのノリスとのタイヤ履歴にオフセットが生まれた第2スティントも、差が2秒になると迷わずピットイン。長い第3スティントを見事なタイヤマネジメントで走りきり、2位を確保した。

 第1スティントで生まれたオフセットが5周、第2スティントは6周だから、ノリスは第2スティントで1周しかオフセットを得られていない。やはり、新品に替えると1秒以上のギャップが得られるアンダーカットは相当に強力だったと言える。加えてルクレールは、ノリスが41周目にタイヤ交換をおこないてから約10周に渡り、ノリスと同様のペースで周回した。6周のオフセットを持ってしても差を詰められず、ルクレールはファステストも獲得する余力を持っていたし、サインツは更にハイペースだった。今回はフェラーリの方が速かったと言えるだろう。

不振のメルセデスアストンマーティン

STR, TSU, ALO, RUSのギャップ

 メルセデスアストンマーティンは、トップ5チームと言うよりは、中団トップと言いたくなるような不調だった。要は、角田に食われる可能性のほうが、マクラーレンを食う可能性より高かったってこと。

 そんな中、ランス・ストロールは危うく角田に負けるところだった一方、ジョージ・ラッセルメルセデス)より前でフィニッシュしたフェルナンド・アロンソは流石と言えるだろう。ちなみに、アロンソがペナルティを受けたディフェンスは、僕の印象ではアリだ。悪いけど、ラッセルはあれくらいの揺さぶりで乱されているようだと、真のエースにはなれないと思う。

角田、殊勲の7位!

STR, TSU, HUL, MAG, ALBのギャップ

 今回の RB は、戦略的に間違いを犯さなかったというのは確かだけど、難しい判断を迫られたわけではなかったと思う。2回とも、中団トップを維持できるように動いたに過ぎない。強いて言うと、ストロールを敵とみなさなかったことが勝因(勝ってないけど)か。

 つまり、どの交換タイミングにおいても、後ろのアンダーカットに対応できるギャップを築いた角田の功績が大きいということ。1回目は予選の8番グリッドを生かせたし、2回目はニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)がアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)をカバーするまでギャップを維持することができた。中団トップという結果に相応しいペースだったと言える。ただ、レース後にハースのチーム代表、小松さんが語っていた通り、ハルクには十分、角田と戦えるペースがあったことは確か。今後も中団争いは白熱するはずだ。

画像はここ

2024_03_AUS_Gap

2024_03_AUS_Laptime