2023年 F1第13戦 ベルギーGP決勝(グラフ付)

 もう金曜日ですよ。木曜の段階で FIA のサイトに HistoryChart が上がってなかったので、痺れを切らせて LapAnalysis から作成。GPニュースも終わってしまった。画像は一番最後です。ラップタイム雨の時がレンジ外ですが、まあいいや。

 圧倒的なポールタイムを叩き出したマックス・フェルスタッペンレッドブル)は、ギアボックス交換により5グリッド降格のペナルティを受けたものの、自他共通の認識通り、第2スティントでチームメイトのセルジオ・ペレスから楽々と首位を奪い、そのままフィニッシュ。8連勝で今季10勝目、チームはマクラーレン・ホンダを抜く開幕12連勝で、シーズン前半を締め括った。角田裕毅は力強い走りで10位入賞。

  1. マックス・フェルスタッペンレッドブル
  2. セルジオ・ペレスレッドブル
  3. シャルル・ルクレールフェラーリ
  1. 角田裕毅(アルファタウリ)
動かせるグラフ

 

操作方法(スマホでも動きますが使いにくいよ)
  • 軸上のマウスホイールで拡大/縮小(ポインタの場所が中心、スマホのピンチもOK)
  • プロットエリアと軸上でドラッグするとパン
  • Top 3, 6, 10 のプリセットは、ctrl を押しながらクリックで反転
歴史的な連勝を目にしている

 MP4/4 による11連勝は、アラン・プロストアイルトン・セナによるものという印象だが、RB19 の12連勝は、フェルスタッペンひとりでも成し遂げられた、と後世では語られてしまうかも。もちろん、ペレスも素晴らしい仕事はしているけど、未だにマックスは、ペレス以外のライバルに決勝で負けていない。驚異的だ。12戦10勝2位2回、平均順位1.17。この連勝街道がどこまで続くのかと共に、最高ポイント回収率の着地点が気になる。

 個人的には、全勝しちゃうと破れない記録になっちゃうから、それはなぁ、とか思ってしまっている。

フェラーリの改善は、マシンなのかルクレールなのか

 GPニュースで米家さんに『地味』と言われていたが、シャルル・ルクレールフェラーリ)の改善は、確かなものだった。

トップ3のラップタイム推移

 レッドブルのふたりの差は、順位が安定してからは0.5~1秒といったところで、デグの傾向はほぼ同じ。この差は非常に大きい。マックスがスティントの入りでドカンとやって JP から小言を言われていたことを考慮すると、チェコにとってはしんどいね。

 ルクレールは、ソフトタイヤでの第1スティント後半にペースが落ちているけど、それ以外はペレスに迫るペースを見せている。更に2回目のタイヤ交換で、ルイス・ハミルトンメルセデス)のアンダーカットをカバーして前に留まったことから、スパでのフェラーリは実力で表彰台を獲得したと言える。これはルクレールの走りが進化したからなのか、マシンが良かったからなのか、カルロス・サインツのリタイアで判断できなかったのが残念。いずれにせよ後半戦も楽しみだ。

ノリスの劇的なアンダーカット

7位以下のギャップ

 ランド・ノリス(マクラーレン)のアンダーカットは、グラフで確認するのが楽しみだった。なにせ、本人も何が起こったのか分からなかったぐらいだ。17周目にタイヤ交換して最後尾の19位に落ちた後、26周目には7位にいた。スピード差のある何台かはコース上で抜いているけど、追いつくマシンが次々とピットインして順位を回復させている。ポジションを取り返されたのは、ジョージ・ラッセルメルセデス)だけだけど、ラッセルとの差も、17周目は22秒あったものがチェッカーでは2秒になっていたのだから、凄い。昨年のスペインでのルイス・ハミルトンメルセデス)に迫る綺麗なアンダーカットグラフでした。

角田の頑張り

アルファタウリ2台のギャップ

 チームメイトのダニエル・リカルドとの差を見てみると、確かにリカルドも、クリーン・エアの中を走れば、角田と同じようなペースを出せていたようだ。角田が良かったのは、前のクルマを抜けたこと。自力でマシンのペースを引き出せるポジションに辿り着いたからこそ、最終スティントの粘りが出た。日曜日に向けてスプリントフォーマットの週末にこのセッティングを煮詰めた経験は大きいだろう。それを可能にした11番グリッドをダンプコンディションで叩き出した予選も良かった。

 AT04 はグリッド上で最も遅いマシンと言われているが、全てを上手くまとめれば、展開次第でポイントを獲得できることが証明された。後半もがっかりする週末が多いことは確かだろうけど、大事なのは中身! 応援するぞ~。

画像はここ

2023 13 BEL Gap

2023 13 BEL Laptime