雨の中、SC先導によるスタートになった伝統のグランプリは、ドライタイヤへの切り替え戦略でトップが入れ替わった。スタートのウェットタイヤから、インターミディエイトに交換したのは3位のセルジオ・ペレス(レッドブル)。これにトップのシャルル・ルクレール(フェラーリ)が反応し、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)も続くが、ここでルクレールはペレスにアンダーカットを許してしまう。一方、カルロス・サインツ(フェラーリ)は、ドライタイヤへの直接交換を狙い、ウェットタイヤでステイアウトするが、インターに履き替えたライバル3人はみるみる迫ってくる。
そんな中、真っ先にドライに交換したのはサインツ。更に同一周回で追い付きつつあったシャルルも入れるが、ギャップが足りずに待たされることになった。それを見たレッドブルは翌周に反応、こちらはスタックさせることなく見事に作業をおこない、ペレスがサインツを、フェルスタッペンがルクレールをそれぞれオーバーカット。ミック・シューマッハ(ハース)の事故により赤旗中断が入るが、そのままの隊列でチェッカーを迎えた。
- 角田裕毅(アルファタウリ)
- Fastest Lap:ランド・ノリス(マクラーレン)
- Driver of the Day:セルジオ・ペレス(ピエール・ガスリー)
結果的に先に動いたフェラーリが順位を落とすことになったが、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)が早々にインターミディエイトに履き替え、印象的なペースとオーバーテイクを見せていただけに、我慢しきれなかったように見えた。とは言え、ペレスに反応するのが1周早ければ、前に留まっていただろう。一方のサインツは直接ドライタイヤへ交換することを主張していて、それが嵌ったように見えたが、今度は先に動いてオーバーカットを許してしまった。
昨日の予選後は、ルクレールが表彰台を逃すなんてことは想像できなかったけど、こんなこともあるんだね。確かに戦略で負けた感はあるけど、これは、レッドブルが一枚上手だった。いただけないラジオも繰り返し流されてたし、レース後、シャルルはもちろん、サインツまで不機嫌だったから、チャンピオンを懸けて戦うなら、ここからの改善して強くなる必要がある。
レース中、一番光ってたのはガスリーだったが、予選の順位が悪すぎた。コース上で何台も抜けたのは、本来そこにいるべきではないから。フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)のあたりにいてくれたら、面白かったんだけど。
角田裕毅は序盤からペースも上がらず、終盤はミスもしていて、良いところのないレースだった。マシンをどこか痛めていたのかもしれないけど、予選のことも気にしていたし、気持ちの面で万全ではなかったのかも。ハードを履いたままのランス・ストロール(アストンマーティン)に引き離されたのは、見ていて残念だった。課題のタイヤの使い方だろうか? 反省すべきとこは反省して、忘れていいことは忘れて、次へ進みましょう。
新たなモナコウィナーの誕生となったが、歴代のウィナーでは、ダニエル・リカルド(マクラーレン)がポイント圏外だった。チャンピオン経験者は全て入賞。経験が物を言う場所であることがよく分かる。
The first man from Mexico to win in Monaco! 🏆🇲🇨 pic.twitter.com/4gBR4Oav4H
— Oracle Red Bull Racing (@redbullracing) 2022年5月29日