2022年 F1第4戦 エミリア・ロマーニャGP 決勝

 グランドスラムにはグランドスラムを。ポール・ポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペンレッドブル)が、インターミディエイトでのスタートとなったレースを危なげなく走り切り、ファステストラップ、全周ラップリードの圧勝。2位にはセルジオ・ペレスレッドブル)が入り、2016年のセパン以来、約6年ぶりの1-2フィニッシュ。

 ランキング首位のシャルル・ルクレールフェラーリ)は終盤、ソフトに履き替えて2位を狙うも、アルタで昨年の角田のような痛恨のミス。幸いマシンは走行可能で6位まで巻き返したが、初戴冠にかかるプレッシャーが如何に大きのかが伝わってきた。

  1. マックス・フェルスタッペンレッドブル
  2. セルジオ・ペレスレッドブル
  3. ランド・ノリス(マクラーレン
  1. 角田裕毅(アルファタウリ)

ギャップグラフ

ラップタイムチャート(ウェットコンディション)

ラップタイムチャート(ドライコンディション)

 ペースはともかく、開幕3戦の決勝では、デグラデーションがフェラーリよりも大きかったレッドブル。今週末はここを改善してきたようだ。スプリントでもそうだし、ミディアムで走り切る雰囲気だった中盤、シャルルはチェコに迫ることができてなかった。次のマイアミは未知数だけど、バルセロナは左フロントに厳しいトラック。レッドブルにとっては心強い結果だろう。

 興味深かったのは、シャルルがソフトに履き替えた時、チェコがすぐにカウンターを打ったこと。シャルルがランド・ノリス(マクラーレン)の後ろになったことも影響してるとは思うけど、ギャップグラフの傾きをみると、十分に逃げ切れたと思う。即ち、これはマックスも反応するまでがセットだったってこと。マックスだけを入れたら、チェコがそのまま勝ってしまうかもしれない。つまりチェコを入れるしかない。それによってチェコは2位を失うかもしれないが、SC導入によりシャルルに優勝のチャンスを与えるよりはいい、という目論見があったからだろう。レッドブル恐るべし。

 そして、角田裕毅! 個人的には Driver of the Day になっても良かったと思う。スタートも良かったし、インターミディエイトが他より先にダメになった感があるけど、ランス・ストロールアストンマーティン)をよく押さえ、ミディアムを履いてからはケビン・マグヌッセン(ハース)とセバスチャン・ベッテルアストンマーティン)を次々と攻略。最後にシャルルに抜かれて6位は失ったけど、その時のペースは、3位表彰台のランドと遜色がない。間違いなく今年のベストレースで、シーズン序盤の第4戦でこの強さを見せてくれたのは本当に心強い。全員が初めてのマイアミでも好結果を期待できそう。

 すごいジャンプアップを果たしたベッテルが、スタートでどんな動きをしたか、ぜひ見てみたい。彼の8位は、100%スタートによるものだった。見返すと、オープニングラップのタンブレロでの混乱を抜けた時点でフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)の次、9位にまで上がっている。

 好調アルファロメオバルテリ・ボッタス、最後はジョージ・ラッセルメルセデス)を仕留めて欲しかった。ジョージが上手く逃げていたってこともあるだろうけど、放出されたチームだし、ここは矜持を見たかったな。もう少し、リバッツァでリスクを負っても良かったでしょう。

レッドブル1-2