2022年 F1第6戦 スペインGP 決勝

 いやもう、波乱がすごすぎて、なんと言っていいのか。ライバル達が序盤で脱落し、悠々とサンデードライブを楽しんでいた(かどうかは知らんが)シャルル・ルクレールフェラーリ)に、まさかのパワーユニットのトラブルが発生し、即リタイヤ。その後は、予想された2ストップではなく3ストップが主流になったことで、ドライバーとチームがそれぞれ最善の戦略を繰り出す、見応えあるレースとなった。

 序盤のターン4でコースアウトしたマックス・フェルスタッペンレッドブル)が、チームメイトのセルジオ・ペレスの協力と、ソフトタイヤでの強力な第3スティントによって、スタートでペレスの前に出ていたジョージ・ラッセルメルセデス)から戦略でトップを奪い返し、3連勝。DRS にもトラブルがあっただけに、見事だったと思う。

  1. マックス・フェルスタッペンレッドブル
  2. セルジオ・ペレスレッドブル
  3. ジョージ・ラッセルメルセデス
  1. 角田裕毅(アルファタウリ)

 完全に安泰と思われたトップがトラブルで消えたのは、昨年のアゼルバイジャンでのマックスのタイヤバースト以来かな? 時代は変わっても、F1 にはこういうシーンが付き物だね。シャルルは気の毒だけど、驚異的な第1スティントの長さから、一発の速さも決勝での強さも抜けていることが証明されたので、ファンからすると面白い状況になった。

 2位はチェコ、こちらはコース上でラッセルから順位を取り戻した。レッドブルは今季2回目の1-2フィニッシュで、両チャンピオンシップでトップに立った。ターン4でスピンを喫したカルロス・サインツフェラーリ)、一時は角田裕毅(アルファタウリ)の後ろまで下がったが、何とか巻き返して4位。5位にはオープニングラップでケビン・マグヌッセン(ハース)と接触し、最後尾まで落ちたルイス・ハミルトンメルセデス)が入り、強豪復活を予感させた。

 ただ、レースでのメルセデスは、ラッセルがチェコに逆転されたように、まだまだ優勝を争うのは厳しいと思う。予選では特にセクター1で速かったから、どうだろう、スパとかなら更に期待できるかな。先すぎて意味ない予測だけど。今回はルイスが割を食ったけど、6位にいると、中団トップに絡まれるリスクが高いよね。

 その中団トップは、孤独に安定したレースを走ったバルテリ・ボッタスアルファロメオ)。2台を Q3 に送り込んだハースは、2台ともポイント圏外でのフィニッシュ。特にミックはスタートでジャンプアップしただけに、なぜ後退したのか、グラフを描いてから考察しよう。

 予選で残念な結果となった角田裕毅は、チームメイトのピエール・ガスリーと共に無難なスタートを決め、序盤からガスリーより速いペースで走行、その後も奮わないチームメイトを引き離し、見事にポイントを取ってみせた。惜しむらくは、好調なミディアムタイヤでのスティントでフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)の前に出ておきながら、アンダーカットを許して順位を取り返されたこと。ソフトでのペースはアロンソに及ばなかったから仕方がなかったものの、ミディアムではランド・ノリス(マクラーレン)に迫ろうかというペースを発揮していただけに、予選と決勝とでちぐはぐなパフォーマンスを含め、マシンの熟成を進めて欲しい。当面のアップデートが無くても、十分にポイントは争えると思う。