2021年 F1第10戦 イギリスGP 決勝

 ブラックアウトからもつれるようにバトルを繰り広げたフェルスタッペンとハミルトンがコプスで接触、フェルスタッペンはタイヤバリアに突っ込みリタイヤ。ハミルトンはルクレールにトップを奪われ、更に10秒ペナルティを受けたが粘り強い走りでラスト2周で逆転、チャンピオンシップのポイント差を大きく挽回した。

  1. ルイス・ハミルトンメルセデス
  2. シャルル・ルクレールフェラーリ
  3. バルテリ・ボッタスメルセデス
  1. 角田裕毅(アルファタウリ)

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決勝トップ3

 チャンピオンを争う二人が遂に接触。挑戦者のマックスはリタイヤし、王者のルイスは勝利した。いつかは起こると思ってたけど、最も興味深い結果を伴った。

 色々と議論もなされていて、生き残ったハミルトンに対するバッシングもひどいようだが、まあ、それも予想通りのような感じがする。僕は加わらないけどね。チャンピオン争いに限らず、バトルに接触は付き物で、それが先頭なら懸かるポイントも多いわけだから、双方のファンにとっては一大事である。僕もホンダファンとしては非常に残念だった。

 ルイスにペナルティが出るだろうとは思っていたけれど、お咎めなしの裁定もありかなと考えていた。何よりターン7はルイスが非常に得意としていて、コプス(ターン9)が決戦の場になることは分かっていた。マゴッツより先では手が出せないからね。マックスは強引にインを塞ぎ、ルイスはそれをかいくぐって更にインを選択、お互いがコプスを決着の場だと思っていたから、引かなかった。引かなかったのは同じだけど、リスクが高いのはアウト側にいるマックスだし、自由度が高いのはイン側のルイスだ。ハイリスクのリターンを相手に委ねるようなことは、チャンピオン争いではタブーに等しい。マックスはあそこで可能な限り外を旋回するべきで、それならマゴッツのイン側だから、まだ勝負することができる。いっそ、引いて2位に甘んじても良かったと思う。

 ルイスはこの辺り、流石は長く王者として君臨しているだけのことはある。外側にまだスペースがあることを認識していたし、結果、その主張が認められずペナルティになったとしても、自分は生き残る公算が高い。レース後の批判にも耐えうる強靭な精神力もあるし、マックスの PU が今後使えるかどうかによっては、チャンピオンシップは逆転したと考えてもいいだろう。

 米家さんも言ってたとおり、ブラジルでのオコンとの接触のあと、失うポイントを量りにかけてリスクを評価する術を学んだと僕も思ってたけど、これはやっぱり、念願のチャンピオン獲得へ向けたプレッシャーから来るものだろうね。必ず通る道なんだから、シーズン終盤でなく、現時点で体感できたのは良かったのかも。今後、チームも巻き込んでの舌戦は続くだろうし、コース上では否応なしに対峙することになる。相手はニコに負けて以降、とんでもない高みに達している史上最強の男なんだから、直ぐに立て直すことが求められる。頑張れ!

 後はもういいやって感じ。フェラーリのペースには凄く驚かされたけど、ルイスとマックスが引っ張ってたら、もっと違う展開になっただろうし。でもマクラーレンより速かったのは確かだから、コンストラクターズ3位争いもまだまだ見所は残ってるのかな。なんとなく、ノリスが不調だっただけのような気もするけど。

 角田の10位は、ガスリーとペレスの脱落があってのことなので、実質12位。Q1 脱落にしては、いいペースで走れてたと思う。ただライコネンは仕留めて欲しかった。