2022年 F1第19戦 USGP決勝

 月曜早朝の決勝だし、仕事も忙しいので、チャート作成の時間はありません。別エントリにて。

 予選3番手から2番グリッドに繰り上がったチャンピオンのマックス・フェルスタッペンレッドブル)がスタートでトップに立ち、ポールのカルロス・サインツフェラーリ)のアクシデントによる脱落もあって、悠々と逃げ切ると思われた。ところが2回目のタイヤ交換で大きくロスし、3位のシャルル・ルクレールフェラーリ)と2位のルイス・ハミルトンメルセデス)に先行を許してしまう。

 しかし、ラジオで皮肉を吐いたフェルスタッペンはそこから集中。チェッカーまでタイヤを保たせつつ、先行するルクレールとハミルトンをコース上で抜き去り、年間最多に並ぶ13勝目。レッドブルも残り3戦を残してコンストラクターズタイトルを決めた。

  1. マックス・フェルスタッペンレッドブル
  2. ルイス・ハミルトンメルセデス
  3. シャルル・ルクレールフェラーリ
  1. 角田裕毅(アルファタウリ)
サインツはちょっと楽観的

 ドライの予選で文句なしのポールを決めたサインツだったが、ターン1で姿を消した。ラッセルとの接触が原因で、確かにラッセルにペナルティが課され、本人もサインツに謝罪しているわけだが、失ったものを考えると割に合っていない。

 側面同士での接触というより、Tボーンに近い接触だったことを考えると、無理に内側へラインを変えすぎだろう。マックスに先行されて焦っていたのかもしれないが、2番手を受け入れてマックスに追従していれば、鈴鹿に続いて1ラップもできない事態は回避できたのではないか。あ、今回は1ラップ刻んでるか。

 とにかく、マックスがタイヤ交換で後退したことを考えると、非常に勿体ないことをしてしまったことは確かだ。ランキング4位を取りに行かないとダメだよ。

ルイスの面目躍如

 後半戦、ハミルトンはラッセルを圧倒している。今日もそうだった。シーズン序盤、終わった説を語った人たちは猛省すべきだろう。勝利の匂いを嗅がない限り、ルイスは起きないんだって。

 ザントフォールトよりは完敗だったかもしれないけど、カルロスが残ってたら、フェルスタッペンが優勝できたかどうかは怪しい。もしかしたらカルロスの後ろだったかもしれないけど、それでもレッドブルの連勝を止めることにはなっただろう。

 自分たちで何とかできた要素として、ミディアムを残さなかったのは悔やまれるけど、これまでハードを上手く使えてきてたんだから、仕方のない判断だと思う。

オレンジボール問題

 非常に難しい問題だとは思うのだが、ハースの抗議したくなる心情について、同情しない人はいないだろう。そして、アロンソのミラーが取れかかっているのは車載の映像で知れ渡っているわけで、アロンソに対してオレンジボールを振らなかった、あるいは、振るかどうかの判定をしなかったのは、完全にレースディレクターの落ち度だ。

 問題なのは、今のディレクターはその非を認めないこと。落ち度は認めます、本来ならアロンソにはオレンジボールでした。こちらの落ち度でアロンソに走行を続けさせてしまった以上、チェッカー後にチームにペナルティを課すのは不適当と考えます。とすれば、事態はもう少しマシ(笑)な収束をみたのではないか。個人的には、マグヌッセンに対する過去3度のオレンジボールは妥当、という補足を付けてもいい。

 更に今回は、自らの正当性を主張するのに必死だったのか、ミラーがひとつしか無かったら不完全なマシンとみなす、という後の禍根になるような判断を入れてしまった。今度から、不可抗力でミラーを失った人はガレージ行きだよ。馬鹿なことをしたもんだね。これをきっかけに、後方ディスプレイの導入に繋がればいいんだけど。

アルファタウリの過失

 アルファタウリは、誰と戦っているのか? コンストラクターズで、ひとつでも上の順位を狙っているんじゃないのか? つまり、直近のライバルはハースじゃないのか? つまりあの場面では、前を行くマグヌッセンを捉える戦略を採るのが当然じゃないのか? ガスリーのポジションを守ることがそれに直結しないことは、誰の目にも明らかだった。グラフを描いてからしっかり確認するけど、角田を前に出していたらマグヌッセンの前でフィニッシュできただろう。つまり、展開次第ではベッテルの前に留まれたかもしれず、少なくとも2ポイント、最大4ポイントを捨てたことになる。

 もし繰り上がって9位になったことを喜んでるなら、レース屋じゃないね。猛省してオペレーションを見直してもらいたい。ただ個人的には期待薄と感じていて、今回のポジションキープが問題にすらならないのではないかと、半ば諦めている。

 チームに不当な扱いを受けるなか、角田は良くやったと思う。今までなら周の後ろでフィニッシュしていたところ。相手のミスがあったとは言え、望みうる最高順位でマシンを持ち帰ったのは、ラジオで喚きつつも切れなかったことを含め、成長を感じさせた。残り3戦も期待できる。